ミステリ

『本格ミステリーワールド』の思い出

すでに情報が出回っているようだが、南雲堂さんのムック『本格ミステリーワールド』が休刊することになった。いずれ南雲堂さんから正式なアナウンスはあるだろうから、ここでは詳しく書かない。 それはともかくとして、ミステリー読みとして、またミステリー…

【告知】「ジャーロ」2017年夏号に天祢涼さんとの対談が掲載されました

現在発売中のミステリ文芸誌「ジャーロ」No.60 2017年SUMMER号(光文社)に、天祢涼さんとの対談形式で、ニコニコ超会議2017のレポート記事「超会議に神社があるって本当ですか?」が掲載されております。 ジャーロ No. 60 出版社/メーカー: 光文社 発売日: …

【告知】「起こりうる事件 来たるべき世界~サイバーミステリ小説アンソロジー」企画に寄稿しました

株式会社イードさんが運営する法人向け情報セキュリティ専門メディア「ScanNetSecurity」において、近い将来起こりうる新しいサイバー犯罪・脅威をテーマとしたショートショートミステリの競作特集「起こりうる事件 来たるべき世界~サイバーミステリ小説ア…

【告知】明利英司さん『憑きもどり』の解説を担当しました

2月28日に発売された明利英司さんの『憑きもどり』(さんが出版、本体500円)の解説を書かせていただきました。 憑きもどり 作者: 明利英司 出版社/メーカー: さんが出版 発売日: 2017/03/03 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 島田荘司選 第六回ば…

More Today Than Yesterday [January 2017]

私は日々、twitterで本やCDや映画の感想をよくツイートしているのだが。 そのままネットの海に放流しておくのも無責任ではないかと思ったので、そういった感想を1ヶ月ごとにまとめてみることにした。というわけで、2017年1月のツイートから。 芦辺拓『ダブ…

【告知】小島正樹さんの『浜中刑事の迷走と幸運』の解説を担当しました

2月7日に発売される小島正樹さんの『浜中刑事の迷走と幸運』(南雲堂、本体1,800円)の解説を書かせていただきました。 浜中刑事の迷走と幸運 (本格ミステリー・ワールド・スペシャル) 作者: 小島正樹 出版社/メーカー: 南雲堂 発売日: 2017/02/07 メディ…

【告知】「本格ミステリーワールド2017」に寄稿しました

本日発売された『本格ミステリーワールド』(南雲堂、本体1,500円)に寄稿しました。 本格ミステリー・ワールド 作者: 島田荘司,松蔭浩之 出版社/メーカー: 南雲堂 発売日: 2016/12/17 メディア: ムック この商品を含むブログを見る 今年は評論原稿を1本寄…

ミステリ・ファンもマニアックな視点から楽しめる映画『ラブ&マーシー』について

『2017 本格ミステリ・ベスト10』で、私は海外部門への投票において、第3位に映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』の名を記した。 ラブ&マーシー 終わらないメロディー [Blu-ray] 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2016/11/25 メディ…

【お詫び】『2017 本格ミステリ・ベスト10』における私の原稿において、重大な誤りがあることを確認いたしました

本日発売となった『2017 本格ミステリ・ベスト10』における私の原稿において、重大な誤りがあることを確認いたしました。 2017本格ミステリ・ベスト10 作者: 探偵小説研究会 出版社/メーカー: 原書房 発売日: 2016/12/05 メディア: 単行本 この商品を含むブ…

【告知】「本格ミステリ・ベスト10」に寄稿しました

12月5日に発売となる探偵小説研究会編著の「2017 本格ミステリ・ベスト10」(原書房)に寄稿しました。 2017本格ミステリ・ベスト10 作者: 探偵小説研究会 出版社/メーカー: 原書房 発売日: 2016/12/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 今回の…

あの頃のサブカル少年・少女への強烈な肘鉄~樋口毅宏『ドルフィン・ソングを救え!』を読んで

今さらで申し訳ないが、樋口毅宏の『ドルフィン・ソングを救え!』を読了した。 ドルフィン・ソングを救え! 作者: 樋口毅宏 出版社/メーカー: マガジンハウス 発売日: 2015/10/15 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (6件) を見る フリ…

楠本まき『Kの葬列』のミステリとしての魅力について~オールタイムベストミステリマンガにさきがけて

twitter上で松井和翠さんがオールタイムベストミステリドラマ&マンガなる企画を実施していたので、投票してみた。 【オールタイムベストミステリドラマ&マンガ】投票締切は9/11(日)24:00!【ドラマ/エピソード】→#ATBミステリドラマe【ドラマ/シリーズ】→#AT…

サイバーミステリを識るための30冊 2016年版~サイバーミステリ宣言! ver1.1

利用可能なアップデートがあります 昨年KADOKAWAより刊行した『サイバーミステリ宣言!』では私と千澤のり子さんとで「サイバーミステリを感じるための30冊」を選んで紹介した。 サイバーミステリ宣言! 作者: 一田和樹,遊井かなめ,七瀬晶,藤田直哉,千澤のり…

気球は飛べど、英雄は飛べず~一田和樹『原発サイバートラップ』を読んで

昨年の時点では、サイバーミステリは、そもそもそもがジャンルとしてはほとんど認知されてはいなかった。ゆえに、どういう作品がサイバーミステリに入るかを共有し、同時に変遷と時代との対応を見せることが必要だと考えた。『サイバーミステリ宣言!』にブ…

【告知】「ジャーロ」2016年夏号に寄稿しました

ジャーロ No. 57 作者: ジャーロ編集部 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2016/06/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る そんなにがっつり書いているわけではないのですが、「ジャーロ」2016年夏号(光文社)に第16回本格ミステリ大賞に選評を…

その構成力は連作短編集でどう活きたか~明利英司『幽歴探偵アカイバラ』を読んで

青春ミステリ『旧校舎は茜色の迷宮』で2014年にデビューした明利英司の一年半ぶりの新作『幽歴探偵アカイバラ』が刊行された。 幽歴探偵アカイバラ (講談社ノベルス) 作者: 明利英司 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/04/07 メディア: 新書 この商品を…

フェアネスはいかにして確保されたか――深水黎一郎『倒叙の四季』を読んで

懲戒免職処分になった元警視庁の敏腕刑事が作成した〈完全犯罪完全指南〉という裏ファイルを入手し、完全犯罪を目論む4人の殺人者。「春は縊殺」「夏は溺殺」「秋は刺殺」「冬は氷密室で中毒殺」。心証は真っ黒でも物証さえ掴ませなければ逃げ切れる、と考…

トリックの対費用効果――吉田恭教さんの『背律』を読んで

使い古されたトリックというものは、やはり存在する。 針と糸を用いたもの、死者との入れ替わり……などなど。では、そういった手垢にまみれた、古風なトリックは今では通用しないのか。仮に今使うならば、どのように使うべきなのか。 ――吉田恭教の『背律』は…

今、もっとも、怖いもの見たさで続きが気になる物語――天祢涼『銀髪少女は音を視る』を読んで

天祢涼の10作目となる小説『銀髪少女は音を視る』(講談社タイガ)は、天祢のデビュー作である『キョウカンカク』、2作目『闇ツキチルドレン』(いずれも講談社ノベルス)以来となる、探偵・音宮美夜を主人公とするミステリだ。 銀髪少女は音を視る ニュク…

だからこそ、照れくさくなるような〈バディもの〉――青柳碧人『玩具都市弁護士』を読んで

今年は『トイ・ストーリー』公開から20周年となる。そんな記念すべき年に、ピクサー・アニメーション・スタジオの新作として日本で公開されたのが、映画『アーロと少年』だ。 www.disney.co.jp 同映画は、アパトサウルスのアーロとスポットという名の少年、…

【告知】「小説宝石」3月号に寄稿しました

現在発売中の「小説宝石」3月号(光文社)におけるコーナー「アニメ宝石」に、先日行われたアニメ「乱歩奇譚」のスペシャル・イベントのレポート記事を寄稿いたしました。そんなにヴォリュームはないですが、アニメ「乱歩奇譚」ファンの方はぜひ。当日の雰…

『サイバーミステリ宣言!』が候補作に選ばれました

『サイバーミステリ宣言!』(角川書店)が、第16回本格ミステリ大賞の評論・研究部門の候補作に選ばれました。ありがとうござます。 サイバーミステリについてまとめた書籍は今までになかったため、企画段階から試行錯誤や議論を重ねてきましたが、共同執筆…

残された者と燻り続ける謎~西澤保彦『帰ってきた腕貫探偵』を読んで

※以下の文章では西澤保彦『帰ってきた腕貫探偵』の内容に触れています。 帰ってきた腕貫探偵 作者: 西澤保彦 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2016/01/07 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る

『乱歩奇譚 Game of Laplace オフィシャルファンブック』に寄稿しました

『乱歩奇譚 Game of Laplace オフィシャルファンブック』(光文社、本体価格1800円)が、1/21に発売されます。 乱歩奇譚 Game of Laplace オフィシャルファンブック 作者: 小説宝石編集部 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2016/01/19 メディア: 単行本(…

自己の回復をテーマとする冒険活劇~青崎有吾『アンデッドガール・マーダーファルス1』を読んで

※以下の文章では青崎有吾『アンデッドガール・マーダーファルス1』の内容に触れています。 アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ) 作者: 青崎有吾 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/12/17 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) …

とある漫画家と京極夏彦の極上の寓話~春日みかげ『神社姫の森』を読んで

京極堂シリーズに別の作家さんが挑むという企画で書かれた、春日みかげさんの『神社姫の森』を読んだ。 薔薇十字叢書 神社姫の森 (富士見L文庫) 作者: 春日みかげ,睦月ムンク,京極夏彦 出版社/メーカー: KADOKAWA/富士見書房 発売日: 2015/11/12 メディア: …

【告知】「本格ミステリーワールド2016」に寄稿しました

今年も『本格ミステリーワールド』(南雲堂)に寄稿しました。 本格ミステリー・ワールド2016 作者: 島田荘司 出版社/メーカー: 南雲堂 発売日: 2015/12/16 メディア: ムック この商品を含むブログを見る 今年は2本寄稿しています。ひとつは、地元の先輩で…

【告知】「小説宝石」11月号に寄稿しました

現在発売中の「小説宝石」11月号(光文社)の特集「乱歩と池袋」に、「怪人二十面相、サイバーミステリ時代に復権す」という評論を寄稿いたしました。アニメ「乱歩奇譚」での二十面相とナミコシの描かれ方を今一度振り返ることで、そもそも二十面相という…

『人狼作家』に参加する作家さんたちについて

10月26日に刊行となる『人狼作家』(原書房)ですが、ミステリ・ファンだけでなく、人狼ゲームのファンの方もお手にとるのではないかと思います。「ミステリはそこまで知らないけど……」という方もいるのではないでしょうか。そこで、この記事では、『人…

『人狼作家』(原書房)が発売されます。

〈村〉に人狼が紛れ込んだという設定のもと、〈村〉の住人に扮したプレイヤーたちによって行なわれるパーティーゲーム――それが人狼ゲームです。 ゲームの大体の流れは以下のようなもの。 人狼は、毎晩一人ずつ人間を食い殺していく。〈村〉の崩壊を防ぐため…

連想・発想の飛躍に酔いしれる~西澤保彦『さよならは明日の約束』を読んで

さよならは明日の約束 作者: 西澤保彦 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2015/03/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (5件) を見る 今考えてみれば不思議に思えるあの出来事や言葉は一体なんだったのか。そのちょっとした疑問を起点…

【告知】「ジャーロ」2015年夏号に寄稿しました

ジャーロ 54号 夏号 (光文社ブックス) 作者: ジャーロ編集部 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2015/06/15 メディア: ムック この商品を含むブログを見る 現在発売中の「ジャーロ」No.54 2015夏号(光文社)に、「サイバーミステリは何を描いてきたのか」と…

[新刊案内]『サイバーミステリ宣言!』

インターネット網やソーシャルメディア社会で起こる事件や犯罪が解決される過程を描いた物語――「サイバーミステリ」。 この度、サイバーミステリとはどのようなミステリであるかを解説・紹介する本『サイバーミステリ宣言!』(KADOKAWA)を刊行することにな…

【告知】セミナー「サイバーミステリの楽しみ」第2回のご案内

以前、ミステリ作家の一田和樹さんと行ったセミナー「サイバーミステリの楽しみ」の2回目をニコ生での配信という形で、2/16(月)に行うことになりました。サイバーミステリの可能性と面白さについてお話できればと思っています。 お時間にご都合の付く…

【告知】「本格ミステリーワールド2015」に寄稿しました

今年も『本格ミステリーワールド』(南雲堂)に寄稿しました。 本格ミステリー・ワールド2015 作者: 島田荘司 出版社/メーカー: 南雲堂 発売日: 2014/12/17 メディア: ムック この商品を含むブログ (4件) を見る 今年は評論原稿1本寄稿、また座談会に1件参…

サイバーミステリとはそもそも何か?――七瀬晶の『SE神谷翔のサイバー事件簿』を手がかりに

※以下の文章は七瀬晶の『SE神谷翔のサイバー事件簿』の内容に触れています。 サイバーミステリとはどのようなミステリか さて、皆さんは「サイバーミステリ」と聞いて、どのようなミステリを思い浮かべるだろうか。 「攻殻機動隊」のような「電脳世界での演…

古畑任三郎はエラリー・クイーンの騎士であったか?

※以下の文章は、ドラマ「古畑任三郎」1stシーズン第2話「動く死体」、2ndシーズン第1話「しゃべりすぎた男」の真相に触れています。 古畑任三郎 COMPLETE Blu-ray BOX 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2014/05/30 メディア: Blu-ray この商品を含…

明利英司さんの『旧校舎は茜色の迷宮』におけるパチンコ依存症の書かれ方にあるリアリティについて

※以下の文章は、明利英司さんの『旧校舎は茜色の迷宮』の内容に触れています。 旧校舎は茜色の迷宮 (講談社ノベルス) 作者: 明利英司 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/08/07 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 第6回ばらのまち福山ミステリ…

【告知】セミナー「サイバーミステリの楽しみ」のご案内

告知です。 9月29日(月)に技術評論社さんのセミナールームにて、サイバーミステリについてのセミナーを(おそらく日本初?)、ミステリ作家の一田和樹さんと行います。サイバーミステリの可能性と面白さについて語りたいと思います。 セミナーは1時間半を…

観測者は孤独の観測者たりえたか――芦辺拓『異次元の館の殺人』を読んで

※以下の文章では芦辺 拓『異次元の館の殺人』の内容に触れています。 異次元の館の殺人 作者: 芦辺拓 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2014/08/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 芦辺 拓さんの新刊『異次元の館の殺…

意外な〈犯人〉と意外な〈探偵〉と――天祢涼『もう教祖しかない! 』を読んで

※以下の文章では天祢涼『もう教祖しかない! 』の内容に触れています。 天祢涼さんの1年ぶりの新刊『もう教祖しかない! 』(双葉社)を読了した。 もう教祖しかない!作者: 天祢涼出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2014/07/16メディア: 単行本(ソフトカバー)…

6/26のスポーツ新聞各紙一面と『物語』シリーズ終章から見る、10年代に求められる物語

※以下の文章では、「まよいマイマイ」「なでこスネイク」(『化物語』)、 「つばさタイガー」(『猫物語(白)』)、「しのぶタイム」(『鬼物語』)、 「おうぎダーク」(『終物語 下』)の真相に触れています。 はじめに 2014年のミステリ界の大きなトピ…

『教場』から読み取った「ソース至上主義」について

長岡弘樹の連作短編集『教場』という作品をどう読むか。ここ数週間、私を悩ませていたのがそれだった。教場作者: 長岡弘樹出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/06/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (21件) を見る ご存知のように、『教場』は警察学…

【告知】「本格ミステリーワールド2014」に寄稿しました

今年も『本格ミステリーワールド』(南雲堂)に寄稿しました。 本格ミステリー・ワールド2014 作者: 島田荘司 出版社/メーカー: 南雲堂 発売日: 2013/12/17 メディア: ムック この商品を含むブログ (3件) を見る 今回の原稿は「アニメ『ダンガンロンパ』は本…

【告知】「本格ミステリーワールド2013」に寄稿しました

昨年に引き続き『本格ミステリーワールド』(南雲堂)に寄稿しました。 本格ミステリー・ワールド2013 作者: 島田荘司 出版社/メーカー: 南雲堂 発売日: 2012/12/18 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (6件) を見る 今回の原稿…

「城平京さんの『虚構推理』はどういう作品なのか?」を呟いてみた件をまとめた件

第12回本格ミステリ大賞の小説部門に城平京さんの『虚構推理 鋼人七瀬』が決定した、 虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)作者: 城平京出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/05/10メディア: 新書購入: 7人 クリック: 125回この商品を含むブログ (52件) を見…

【告知】「本格ミステリーワールド2012」に寄稿しました

南雲堂さんのムック『本格ミステリーワールド』に寄稿しました。 本格ミステリー・ワールド2012 作者: 島田荘司 出版社/メーカー: 南雲堂 発売日: 2011/12/17 メディア: ムック この商品を含むブログ (4件) を見る 原稿のタイトルは「ノベルゲームのこうしょ…