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[新刊案内]『サイバーミステリ宣言!』

ミステリ 告知

インターネット網やソーシャルメディア社会で起こる事件や犯罪が解決される過程を描いた物語――「サイバーミステリ」。

この度、サイバーミステリとはどのようなミステリであるかを解説・紹介する本『サイバーミステリ宣言!』(KADOKAWA)を刊行することになりました。

著者は、ミステリ作家の一田和樹さん、七瀬晶さん、千澤のり子さん。批評家の藤田直哉さん、そして私・遊井かなめです。発売日は6月30日を予定しております。価格は1500円(本体)です。

 

サイバーミステリ宣言!

サイバーミステリ宣言!

 

 

 

『サイバーミステリ宣言』の内容と構成

書籍は三つのパートから構成されます。まずは、私と一田さんが昨年から行ってきた「サイバーミステリの楽しみ」というセミナーの再録。続いて七瀬さんと藤田さんによる、「ミステリとSFと現実の接近」をテーマにした対談。そして、最後にサイバーミステリ・ブックガイドを収録しています。

サイバーミステリという呼称自体は、2011年に『檻の中の少女』(原書房)でデビューした一田和樹さんが自身の作品の説明をする際に用いたのが初出になりますが、一田さんのデビュー以前から、サイバーミステリにカテゴライズされる作品は既にたくさん書かれてきました。ブックガイド・ページでは、そういった先行作品を小説・漫画・映画などからピックアップして、千澤さん、一田さんと私とで紹介していきます。サイバーミステリを手っ取り早く知りたいという方は、ブックガイドから読み進めるのも手としてはあるかと思います。

 

  • ミステリはサイバー空間にいかに対応していくのか。
  • ミステリ作家たちはサイバー空間にどのように挑んでいったのか。
  • サイバー空間を舞台とするミステリならではの面白さとはなにか。

『サイバーミステリ宣言!』はそういったことを解説していく本です。この本をきっかけにサイバーミステリを読んで、楽しんでいただければなと思う次第です。

 

サイバーミステリと私~A History Of Now~

個人的な話にはなりますが、私がサイバーミステリ的な作品を強く意識したのは、山口雅也さんの『チャット隠れ鬼』(光文社、2005)が最初でした。

 

チャット隠れ鬼 (光文社文庫)

チャット隠れ鬼 (光文社文庫)

 

 

サイバー空間を舞台とすることで、フーダニットを拡張としようとした山口雅也さんの試みに当時は驚いたものです。
 
さて、ブロードバンド接続が普及し、SNSが普及していく中で、私たちの暮らしは劇的に変わりました。便利になったこともあれば、ルールが不整備なまま普及したことで生まれた困難もありました。そういった中で、サイバー空間を舞台とするミステリも変化を見せ始めました。特に、サイバーセキュリティを扱った一田和樹の『檻の中の少女』や、サイバー空間における日常の謎を描いた七瀬晶の『SE 神谷翔のサイバー事件簿』シリーズ(幻冬舎、2012~)は、サイバー空間の拡大とともに見えるようになった新たな動き、思考体系、困難を描いたものであり、ミステリにサイバーミステリのムーヴメントが起ころうとしていることを強く感じさせるものでした。

 

檻の中の少女 (a rose city fukuyama)

檻の中の少女 (a rose city fukuyama)

 

 

SE神谷翔のサイバー事件簿 (幻冬舎文庫)
 

 

ここで思い出すのが、エイジアン・ダブ・ファウンデーションの「A History Of Now」です。同曲では、技術が猛スピードで発達し、サイバー空間が拡大していく中で、ライフスタイルが急激に変化していくことへの戸惑いが歌われていました。

 

 

 

A History Of Now [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC280LTD)

A History Of Now [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC280LTD)

 

 

『サイバーミステリ宣言!』はミステリ側からの「A History Of Now」というような内容になっているかなと、個人的には思う次第です。ただし、そこにあるのは戸惑いではなく、変化をエンターテイメントとして楽しんでしまおうとするサイバーミステリへの期待です。この書籍を通じて、サイバーミステリの面白さを皆さんにも知っていただければなと願っています。

 

さいごに

表紙画像なども含め詳細は、また後日当ブログでも告知ししたいと思います。よろしくお願いいたします。