「ファー・アウェイ・アイズ」はまだ聴こえているか?

【告知】『奇想天外』に編集で参加しました。

1970年代半ばから1980年代にかけて。かつて日本には雑誌カルチャーとでもいうべきものがあった。雑誌の年間発行部数が22億冊を超えていたという話もある。そんな中、サブカルチャーポップカルチャーを志向する雑誌が多く世に出た。植草甚一の「宝島」、「POPEYE」、「話の特集」などがそうだ。そんな時代に「奇想天外」という雑誌があった。

ミステリ、SF、ホラーなど様々なジャンルの小説、いや、ジャンルを越境したような小説が掲載され、同時代のポップ・カルチャーがコラムで紹介されていた。私は第一期(1974年)にはまだ生まれていないので、当時のことをちゃんとわかっているわけではないが、「奇想天外」という雑誌は先鋭的な文学雑誌であると同時に、(古い言い回しになるが)トレンドセッターとしての役割も果たしていたのではないかと推察される。

 


さて。この度、その「奇想天外」が南雲堂から『奇想天外 アンソロジー』として復興、というか更新されることになった。編著者は山口雅也さんだ。

しかも、今回は、かつて『奇想天外』に掲載された小説やマンガ、コラム、対談をピックアップして収録した『奇想天外』の“ダイジェスト版”ともいえる『復刻版』と、もし『奇想天外』が21世紀の今発刊されるとしたら――という想定の元に編纂された『奇想天外』の“最新号”ともいえるアンソロジー『21世紀版』の二冊を同時に刊行するのだという。

 

奇想天外 21世紀版 アンソロジー

奇想天外 21世紀版 アンソロジー

 

 

奇想天外 復刻版 アンソロジー

奇想天外 復刻版 アンソロジー

 

 

 

 

私に山口さんからオファーがあったのは、今年の2月頃だったと記憶している。

そのときは、『21世紀版』の企画「文壇ビートルズ王決定戦」のデータ部分の監修(私が「レコード・コレクターズ」元編集員であることからのオファーだと思う)と、ミステリゲーム鼎談への参加、そしてサイバーミステリについて文章を書くことを依頼された。*1

 

それから5ヶ月後、とある事情から私は『奇想天外 アンソロジー』に編集者として参加することになる。*2

 

……というわけで、そこから3ヶ月はフル回転。毎日、山口さんと電話で深夜まで話し合いつつ作業を進めていったのだが、今日ようやく“ほぼ校了”となった。

そのタイミングで『奇想天外』特設サイトもOPEN。なかなか楽しいサイトになったと思う。

 

www.nanun-do.co.jp

 

あわせて、宮内悠介さん、新井素子さん、島田荘司さん、山口雅也さんが出演するトレイラー映像も公開。*3

 


『奇想天外 アンソロジー』トレイラー

 

 

とにかく、『奇想天外 アンソロジー』の内容については特設サイトや、今回『奇想天外』の広報を担当しているユニット「Bizarre Brothers Band」のツイッター・アカウントをご確認いただければと思う。

 

twitter.com

 

とっても賑やかで盛りだくさんな内容の本なので、SFファン、ミステリ・ファンのみならず、音楽ファン、映画ファン、ゲーム・ファンも楽しめる内容になっているはず。10月27日発売。『復刻版』は¥1,800(税別)、『21世紀版』は¥2,000(税別)です。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 

*1:最終的に、〈評論家・遊井かなめ〉としては『復刻版』では曽根忠穂編集長へのインタビュー/構成、『21世紀版』では「文壇ビートルズ王決定戦」「奇想天外史上最強ミステリ映画祭」への参加(及び全ページの監修)、鼎談「ミステリGAMEを遊ぼう」 への参加、「サイバーミステリ・オン・ザ・ロック」、コラム「“インドネシアレディー・ガガ”とSNSの時代」の寄稿、「ジャズ・ピアニスト原尞をめぐる真実」でのディスコグラフィー作成と、ずっぷりと関わることになった

*2:この辺りの事情は『奇想天外 アンソロジー 21世紀版』の編集後記で語られているので、ここでは伏せておく

*3:音楽は松浦雄太 a.k.a.ツマー、監督は足柄カープ。つまり、かつて私が木杳舎で「ボカマガ」を出した際のゆかりのメンバーである。『奇想天外 アンソロジー』刊行と同タイミングで吉田仁郎くんもジョリッツとしてアルバムを発表していたので、「ボカマガ」がポップ・カルチャーの今後の鍵となるのかなとかなんとか夢想したものである。なお、「ボカマガ」についてはこちらをご参照ください。