「ファー・アウェイ・アイズ」はまだ聴こえているか?

【告知】「ジャーロ」2018年夏号に企画・編集を担当した記事が掲載されます

6/22に配信が開始されるミステリ文芸誌「ジャーロ」No.64 2018年SUMMER号(光文社)に、いろいろ参加しています。

 

ジャーロ No. 64

ジャーロ No. 64

 

 

バスルームで小説を書く100の方法

まず、私が企画・編集を担当する連載「バスルームで小説を書く100の方法」。

ミステリ作家がどんな環境で小説を書いているのか。どんな道具を使って物語を作っているのか。――「バスルームで小説を書く100の方法」は、一人の作家を文化的な背景からではなく、使ってきた機材から捉えるドキュメンタリー企画です。

インタビューを通じて、作家が使った機材を明らかにするとともに、小説の書き方を探っていきます。

第2回となる今回のゲストは芦辺拓さん。来年で作家歴30周年を迎える芦辺さんですが、ワープロからパソコンへと執筆環境が移行していった世代の作家ならではの苦労話も飛び出して、作家志望の方だけでなく、あの時代を知っている人は必読かも。芦辺拓さんならではの、情報の整理術は参考になる人も多いはず。また、森江春策Pとしてのお仕事についても聞いております。「THE IDOLM@STER」のファンも必見?

 

楽譜と旅する男

楽譜と旅する男

 

 

特集〈山口雅也『生ける屍の死』が全面改稿により新たに甦る!〉

次いで、今回は特集〈山口雅也『生ける屍の死』が全面改稿により新たに甦る!〉にも関わっております。同特集は、大きく分けて次の4つのコンテンツから構成されています。

 

生ける屍の死(上)

生ける屍の死(上)

 

  

生ける屍の死(下) (光文社文庫)

生ける屍の死(下) (光文社文庫)

 

 

スペシャル・インタビュー

最初にお送りするコンテンツは、再文庫化を記念した山口雅也さんのスペシャル・インタビュー 「死者が甦る世界といっても、読者を納得させるのは大変なんだよ」。インタビューは遊井が担当しました。今回の“リマスター”作業について、〈SFミステリ〉について語られています。注目は、山口さんが、特殊設定を成立させるために傾注したことについて語ったこと。阿津川辰海『名探偵は嘘をつかない』、今村昌弘『屍人荘の殺人』、白井智之『おやすみ人面瘡』や『東京結合人間』など、近年、特殊設定ミステリの注目作が多く書かれているだけに、ミステリ・ファンは必見ではないかなと思います。

 

名探偵は嘘をつかない

名探偵は嘘をつかない

 

  

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人

 

 

 

東京結合人間

東京結合人間

 

 

 

おやすみ人面瘡

おやすみ人面瘡

 

 

なお、『生ける屍の死』の“リマスター作業”については、こちらでも詳しく書いたので、興味のある方はぜひ!

ue-kaname.hateblo.jp

 

 幻の短編

次にお送りするのは、山口雅也が『生ける屍の死』で本格デビューする前に発表した*1短編小説「ぶよぶよ猫のための変奏曲」。雑誌「CLIP」での連載〈レシピ小説〉から、1985年12月号に掲載されたを幻の短編を今回特別に掲載します。

山口雅也の幻の短編が「ジャーロ」最新号で甦ります。奇妙な味の作品で、後の「M」シリーズに収録されていてもおかしくないような作品。「M」シリーズ好きの方は必読です。

 

ミステリーズ

ミステリーズ

 

 

マニアックス (講談社文庫)

マニアックス (講談社文庫)

 

 

モンスターズ (講談社文庫)

モンスターズ (講談社文庫)

 

 

80年代の山口雅也に迫った評伝

なお、「ぶよぶよ猫のための変奏曲」には遊井による解説「You Spin Me Round (Like a Record) ~一九八〇年代の山口雅也」が付きます。これは『生ける屍の死』でデビューする前の山口雅也さんについて、その足どりを追ったものです。80年代という時代の荒波であがいていたフリーライター山口雅也について掘り下げました。山口雅也版「龍が如く0」といった内容です。

 


Dead Or Alive - You Spin Me Round (Like a Record) (Official Video)

 

若手作家からのコメント

また、今回は『生ける屍の死』光文社文庫版発売を記念して、同作への熱い想いを若手ミステリ作家からいただいております。寄稿してくださったのは、浅ノ宮遼さん、阿津川辰海さん、白井智之さんです。

若手作家3人の『生ける屍の死』への想いは三者三様。阿津川辰海さんは特殊設定について語り、浅ノ宮遼さんは素敵な読書体験について語り、白井智之さんは「そこに注目するんかい!」とつっこみたくなるような細かいところについて語っています。面白いっすよ。

 

片翼の折鶴 (ミステリ・フロンティア)

片翼の折鶴 (ミステリ・フロンティア)

 

 

というわけで、「ジャーロ No.64」をよろしくお願いいたします!

 

ああ、そうそう。

今回の「ジャーロ」には第18回本格ミステリ大賞の開票式のレポート記事や、投票した会員の全選評も掲載されています。私も今回、小説部門と評論・研究部門の両部門に投票しており、選評が掲載されております。こちらも興味のある方はぜひ。

 

*1:生ける屍の死』光文社文庫版巻末の未収録作品リストに、デビュー前に書かれた作品リストはすべて載せていますので、詳しくはそちらをご参照ください