「ファー・アウェイ・アイズ」はまだ聴こえているか?

【告知】「2019 本格ミステリ ベスト10」に寄稿しました

12月6日に発売となる探偵小説研究会編著の「2019 本格ミステリ・ベスト10」(原書房)の国内ベストに投票しました*1

 

2019本格ミステリ・ベスト10

2019本格ミステリ・ベスト10

 

 

正直に言えば、私は本格ミステリがそんなに得意ではないのですが、そんな私でも楽しめた作品に票を投じました。私と同じように「本格ミステリは得意ではない」という方は参考にしてみてください。

 

アンドリュー・ヴァクス「アリバイ」は理想の短編ですよ

そういえば、今回の「本ミス」には「この作品を愛してやまない俺の偏愛ミステリ」というコーナーがありまして、そちらにも投稿しています。本当はアンドリュー・ヴァクス「アリバイ」を挙げようかと思ったのですが、「本ミス」なので本格ミステリ以外は挙げない方がよいだろうと考え(=俺だって、たまには空気を読む)、やめておきました。

 

アンドリュー・ヴァクス「アリバイ」の何がすごいかって、それはもう構成の暴力性。

裏カジノでの謎めいたやりとりから始まって、思わぬところに話は着地するのですが、そのスピード感にまず酔います。唐突すぎるので戸惑う方もいるかと思います。ですが、「アリバイ」というタイトルですべて納得いくはずです。

雰囲気もたっぷり。ヴァクスはリズムで刻むような文体だけに、話にギアが入った瞬間がとにかく映えるんです。

初読時は、12ページという分量でこれだけのことができるのか、これだけの雰囲気を作れるのかと驚きました。理想の短編。ミステリ史上最高の短編だと思います。

「EQ」の1995年7月号に掲載された作品で、一番入手しやすいのはEQ編集部編『英米超短編50選』(光文社文庫)。マジでオススメです。

 

英米超短編ミステリー50選 (光文社文庫)

英米超短編ミステリー50選 (光文社文庫)

 

 

 

 

*1:海外部門には投票していません。ですが、他の年間ベスト本には海外部門も投票しています。お手やわらかに